MATERIAL + DYE → EXPERIMENT → CLOTHING → TIME
研究はブランドの方法であり、服はその結果です。

FRAGMENTS は、素材と染めを通して無常を探る服のブランドです。ひとつひとつの服は実験であり、その最終的なかたちはプロセスによって決まります。
私たちは植物染料や天然染料、糸、フェルトを幅広く扱います。もっとも特徴的な実験は錆染め。錆を、繊細な色合い、質感、模様へと変えていきます。どのモデルも一点ものの連なりとして存在し、同じ染め浴の中でも、天然染めは一枚ごとに異なる模様を与えます。
ブランドの大きな柱のひとつは、無常について考え、自然の変容と、誰もが等しく受ける時間の働きを見つめることです。すべては変わります。物も人と同じように、変わり、古び、朽ち、また生まれ変わる。それは自然なことで、私たちが左右できるものではありません。そこから、執着しないこと、眺めること、いまを大切にすること、壊れゆくものにも生まれるものにも美しさを見ることを学びます。
染みや擦れはデザインの一部になります。これは時間と素材についての率直な対話であり、手仕事がいまの時代にどう在りうるかという問いです。
服を通して、私たちはもっと大きなことを語ります。身体と心へのいたわり、生きものへの敬意、資源の賢い使い方、世界への意識的なまなざし。再び使える素材、そして「廃棄物」と呼ばれながら実は豊かさであるものを、きちんと生かすことを信じています。
私たちは現代の天然染めの技法を用い、服をより環境にやさしくする方法を探し、イメージを通して周りの人の意識を呼び覚ます物語を伝えます。自然の力と調和して生きる祖先の知恵を受け継ぎながら、環境を損なわない暮らしと創作のあり方を、自らの姿で示していきます。
染めむら、裂け目、思いがけない移ろい、素材や質感の意外な組み合わせ。それは目に見える断片化であり、やがて新しい何か、ひとつの全体へとまとまっていきます。服は「均一に染められた」ものではなく、染み、移ろい、痕跡から組み立てられています。私たちの世界と同じように。
天然染めは二度と同じには再現できません。どの色も、ある日、ある葉で行われた、ひとつのプロセスの断片です。それは欠点ではなく、方法そのものです。
直感にしたがい、組み合わせを試しながら、記憶、積み重ねた試み、偶然の発見、技、アイデアといった断片から、私たちだけの新しいかたちを組み立てていく。
ブランドの核にあるのは、移ろいと不完全さの美学である侘び寂び、そして資源に対する賢く丁寧な向き合い方です。伝統的な技法やイメージを現代のデザインの言葉で語り直し、バイオフィリアにアヴァンギャルドとグランジの要素を重ねます。ここでは染みや擦れは欠陥ではなく、時間と、その服が生きてきたことのしるしです。老いは成熟として、裂け目は全体として、急がず飾らない静けさとして。素材、つくり方、環境を意識して選び、不完全さを受け入れ、じっくりと眺める状態です。
キーワード
侘び寂び
不完全なもの、未完のもの、一時的なものを受け入れること。ひび、擦れ、色あせの中の美しさ。
無常
物と人の自然な変容。すべては古び、変わり、朽ち、生まれ変わる。そのプロセスに美しさがあります。
天然染め
時間とともに起こる色の自然な変化を隠すのではなく、際立たせる技法。
染み / 痕跡
欠陥ではなく、生きたしるし。服が着られ、身体や環境と触れ合ってきた証です。

